カテゴリ:日本家屋の建築や様式について / 投稿日付:2025/07/06 16:47
格式ある和の美「格天井」とは?—日本建築の魅力を天井から知る
■ 格天井(ごうてんじょう)とは?
格天井とは、木材で格子状に組まれた天井構造のこと。
伝統的な日本建築に見られる意匠で、格式の高い寺院や神社、数寄屋造りの和室、城郭などに用いられます。
格子状に組んだ枠(格縁)の中に、「鏡板(かがみいた)」と呼ばれる板や絵が納められ、美術性も高いのが特徴です。
■写真は奈良県御所市に建つ日本家屋の応接室にある格天井
■ 格天井の構造図(イラスト)
以下のような構造をしています:
格縁(ごうぶち):木でできた格子の枠部分
鏡板:格子の中にはめ込まれた平板。無地だけでなく、花鳥風月などの日本画が描かれることも多いです

天井板の裏側には装飾金具を打ちつけることもあります

■写真は奈良県御所市にある日本家屋の玄関天井
■ どんな場所に使われている?
| 用途 | 特徴 |
|---|---|
| 寺院(例:東福寺方丈) | 天井画の龍や鳳凰など、宗教的モチーフが描かれることが多い |
| 書院造の和室 | 正座する位置の正面に格天井がくることで格式が演出される |
| 城郭の大広間 | 高い位の人が使う空間の象徴として |

■写真は滋賀県愛知郡愛荘町にある日本家屋の玄関
■ 格天井の魅力と現代での使い方
格天井は、装飾性と構造の美を兼ね備えており、**「見上げる芸術」**とも言える存在。
現代では、旅館や料亭、またモダン和風住宅のリビングや玄関などでも、天井デザインとして復活しています。
まとめ
格天井は、日本建築の中でも格式と美意識の象徴的存在。
建物を訪れる人に「和の心」を伝えるために、今も多くの場面で活かされています。








